何はともあれ温泉宿の女将さんに土地の下見の案内をおねがいしました。
おっかなびっくりではあるものの、案内役が不動産やさんではないという安心感もあって、案内を受けることにしたのですが、考えてみたら、温泉宿の女将さんも不動産屋さんの依頼だったのかもしれないのに、その時は全くそんなこと思いつきませんでした。
なぜか?
それは、どう見ても近隣に不動産屋さんがあるとは思えない環境だったからです。土地の下見をした当時は周囲にコンビニすらもなく、よろずやさんと呼ばれるようなお店しか見当たりませんでした。新聞さえどこにも売られていなかったくらいです。
さて土地の下見ということで、翌朝、温泉宿の女将さんは土地を案内するべく、自らワゴン車を運転してくれました。
季節は寒い冬。数日前に降ったと思われる雪が残る道を、温泉宿の女将さんは男勝(まさ)りなハンドル捌(さば)きでワゴンを運転。
後から聞いたら、あの日車のタイヤはノーマルタイヤだったとか。
このあたりはあまり雪が降るエリアではないためとは言いながら、ノーマルタイヤで坂道もがんがん飛ばしていました。
山奥の温泉宿から10分ほど走ると車が停車。
現地に到着かと思いきや、そこで別の男性と合流です。
その方も不動産屋さんではなく、温泉宿の女将さんに土地の話をお願いしてあった方だとか。
今度はその方を含め、再び車で移動。数分走ったあたりで車を止め、いよいよ現地に到着となりました。
まずは遠めに物件を見せてくれたあと、女将さんは、「じゃあ、私はこれで」とサクッと宿へと戻る様子。
どうやら私たちを後から合流した男性に紹介したら、お役御免だったようですね。ちょっと心細い気もしましたが、まあ、乗りかかった舟、とにかく物件を見ることにしました。
続く。