土地を見せてもらい、興味を持った後は、登記簿謄本を確認することに。
不動産という分野に、よもや自分が関わることになるとは、まったく考えもしなかったのですが、とにかく今回物件を持っている中小企業のオーナーDさん(仮名)と、東京で会うことになりました。
そして、Dさんから受け取ったのが物件の登記簿謄本です。
初めて見ました。不動産の登記簿謄本。
そしてまず最初に感じたのは「とっつきにくくわかり難(にく)い」という印象。
数字も「一」や「十」ではなく「壱」「拾」という書き方で、これだけでも、とっつき難(にく)さが倍増します。
初めて見るものなので、見方もよく解りませんでしたが、所有権の欄を見ていくと「所有権移転 昭和四五年参月五日受付」などと記載されています。
さらに見ていくと・・・え?抵当権設定?
ということは、これは抵当物件ということ?
銀行からのローンを借りる場合は、抵当権がついているという話を聞きますが、どうもこれは銀行のローンとは異なる感じ。
「抵当権設定」「壱番抵当権担保追加」「壱番弐番順位変更」「根抵当権設定」・・・などなど、初めて不動産登記簿謄本を見たうえに何だか怖い文字が躍っています。
それに改めて所有者を見ると、苗字は同じもののDさんとは異なる方のお名前が記載されています。
果たして、Dさんは信頼できる人なのか。
それとも、無知な私をだまそうとしているのか。
心の中で激しい葛藤が繰り返されながらも、とにかくDさんの説明を聞くことにしました。
私にとって、不動産はミステリー。
登記簿謄本を受け取り、
「しばらく検討させてください」というコメントを返しつつ、その日は別れました。
つづく。